NACA 4/5桁系の翼型は、2412や23012等12%厚の翼型がよくつかわれている。これは多分、この系列の肉厚曲線ではこの厚みの時に一番性能が良いからだと思われる。しかし15%厚の翼型を見ると、前縁半径が全体の厚みに対して少し大きすぎるように見える。性能的に「鈍い」感じを受ける。グライダーのようにアスペクト比の大きい翼では翼弦長が小さくなるので、翼型の厚みが小さいと桁高も小さくなり、アスペクト比の小さい翼よりも大きい負担に耐えることがむずかしい。(翼根での曲げモーメントは、アスペクト比が小さい翼よりも大きい翼の方が大きくなる。)
そこでNACA 4/5桁系の肉厚曲線式を改良して、15%厚のときに見た目で丁度良い前縁半径になる翼型を作った。一方キャンバー曲線は、模型に使用する目的であったことから30%位置より前に揚力の分布を集中させるよう、NACA 63−シリーズのキャンバー曲線を用いた。(模型の場合、前縁側約30%にプランクをかぶせる構造にする場合が多く、プランクの切れ目に段ができてしまう。これより後方に揚力分布を期待するのはむずかしいと判断した。)これがBw 3−シリーズ翼型である。
風洞等の実験施設はないのでその性能を正確に測ることはできないが、ラジコン・グライダーに用いた結果をみると、滑空比も悪く、旋回等の操縦性も鈍く、ラジコン・グライダーに用いる翼型としてはほとんど実用にはならないとの結論に達した。しかしこれは、翼型自体の性能が悪いということではなく、ラジコン・グライダーの大きさの飛行機では性能を発揮できないということである。(模型の場合、翼弦長が小さく速度も遅いのでレイノルズ数が実機の場合よりもかなり小さい。一般に厚みの大きい翼は、レイノルズ数が大きい時に性能が良くても、小さくなると性能は極端に悪くなる傾向が強い。)従って、より大きな飛行機に用いると良い性能が出せるかもしれない。
一部の翼型を10〜12%厚に変更したものをラジコン・グライダーに使ってみた。アスペクト比=6程度の翼だったので滑空性能についてははっきりした結果はでなかったが、他のアスペクト比=6の翼と比較してもまずまずの性能が出ているのではないかと思う。
なお、Bwは"BAK-DAN Aircraft Research"+"wing section"の略である。