くるくるUFO (Flying Turbine Disc)



こんなモノ、作って遊んだことはありませんか?
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公開開始日:2016.04.05.
内容更新日:2024.09.06.
レイアウト更新日:2024.10.08.

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 去年の末頃、地域の子ども達に遊びを教えてほしいと頼まれ、中学の頃教室で遊んだコレを思い出した。誰がやり出したか誰が考え出したか覚えてないし、名前もついてなかったが、工夫を凝らして夢中になったものだ。
 どういうモノかと言うと、真上から息を吹きかけて高速で回転させておいて、サッと顔をよけると飛び上がる仕組み。当時は下敷きはセルロイドでできており、軽くて丈夫だったので下敷きを切っては作り、どこまで上がるか挑戦していた。最高記録は、教室の天井。勢いよくぶつかって落ちてきた記憶がある。よし、40年ぶりに挑戦してみるか。まずは思い出すために、昔のように夢中になって作ってみた。
 セルロイドはストーブの熱で爆発的に発火するため現在では使われておらず、最近のプラスチックは曲げても戻ってしまうため、市販のアルミ板(0.3mm厚)やアルミ缶を延ばした板を使うことにした。40年前には無かった新素材だ。羽根の形が微妙で難しかった記憶もあり、幾つも作ってみたが昔のように上がらない。しまいにコンプレッサーを持ち出して吹き付けてみたものの、軽くて上がりそうなアルミ缶の板で作ったやつは風圧に負けてペッタンコになって机に張り付いてしまった。まあ、コンプレッサーは違反だから、なんとか人の息でアルミ缶の板で上げようと四苦八苦。天井までは届かないけど、何とか1mは上がるようになった。
 ところでこのオモチャ、名前がなかったので広報に載せるのに何と呼ぼうか悩んだ。まともに考えれば "Flying Turbin Disc" なのだが、まず大人が遊んでみようと公民館で職員と飛ばしてみた結果、「くるくるUFO」という立派な名前を付けて頂き、小正月の公民館行事で子ども達に作らせることになった。



小正月行事で製作に励む子ども達


自分の作った、”飛ぶ”ディスク

6号機(0.3mmアルミ板:φ26mm)

 6番目に作ったディスクがやっと成功。コンプレッサーを使うと2m以上上がる。羽根の曲がりは、吹いた時に回転が上がるように作ってある。

7号機(アルミ缶延板:φ41mm)

 5号機までは径方向で羽根より中央部の方が長かった。これを同じ長さに改良。抵抗は大きく、上がってもストンと落ちる。羽根の曲がりが6号機までと比べて、内側が吹いた時に回転が上がるように、外側が吹きを止めた時に揚力を発生するように作ってある。以後、このパターンを踏襲。

8号機(アルミ缶延板:φ49mm)

 さらに大きく作った。抵抗は大きい。

9号機(アルミ缶延板:φ40mm)

 羽根の枚数を増やしてみたが、上がりは悪く抵抗も大きい。

10号機(アルミ缶延板:φ40mm)

 羽根の先をきれいに整形。上がり悪し。

11号機(アルミ缶延板:φ37mm)

 羽根の部分を大きくしてみたところ、フワっと上がるようになった。抵抗も小さく、滞空力がある。中央部が小さい方が上がりやすい事は分かったが、あまり小さくし過ぎると吹いた時に姿勢が安定せずかえって上がらなくなる。

12号機(0.3mmアルミ板:φ36mm)

 0.3mmアルミでは重くて、人の息ではなかなか上がらない。コンプレッサー用に厚い板で作った。

13号機(アルミ缶延板:φ39mm)

 子ども達に作らせたところ、羽根の枚数の多い子の作ったのがよく上がった。それを見て羽根枚数を多くしてみた。と言っても枚数は9号機と同じであるが、中央部より羽根の部分が長く作ってある。よく上がるようになり、滞空力もある。

14号機(アルミ缶延板:φ47mm)

 大型化して、羽根の外側(揚力を発生する部分)を広くした。上がりもよく、抵抗も小さい。


作り方
[1]

 アルミ缶であれば、カッター(大)を押し付ければ切れる。
[2]

 下側もカット。
[3]

 切り口をハサミで切る。
[4]

注意

 切り口がササクレていると、板を平らに延ばす時に手に刺さる。とても痛い。
[5]

 平らに延ばしたアルミ板。カット・コンパスを準備する。無いときは、自作しよう。
[6]

 カット・コンパスで、外側の円を描く。キズを付ける程度でよい。中心はコンパスの針で凹み(下から見ると出っ張り)を付けておく。
[7]

 切り離す前に、内側の円とタービン羽根の切り込み線を描いておく。
[8]

 外側の円に沿って折ったり戻したりを繰り返すと、自然に離れる。
[9]

 切り出したディスク。
[10]

 タービン羽根を、ハサミで切り込む。ハサミを使うことで、自然と羽根一枚一枚が捩じれる。
[11]

 切込みが終了。
[12]

 羽根の内側を、息を吹きつけた時に回転が上がるように、一枚一枚の羽根の前側を内に捩じる。
[13]

 羽根の外側を、回転によって浮き上がるように、一枚一枚の羽根の前側を外に捩じって完成。
   

飛ばし方

注意

上がりの良いものほど、顔をよける前に目を直撃する可能性があります。
羽根の先を丸めておくと、顔に当たった時に怪我を防ぐ事ができます。
[1]

 真上から息を吹きつける。中心を吹かないと逃げられてしまう。まず軽く吹いて回転させておいて、息を吸い込んだあと思い切って吹く。
[2]

 サッと顔をよける。