次の日盛岡で用事があるため、ふと思い出して急遽、９日の角館のお祭りを見に行くことにしました。（何だか去年もそうだったような…）８日夜のうちに出発、途中車内に一泊して次の日の昼頃到着、さっそくビデオカメラを手に繰り出しました。いつも同じようにビデオに撮って歩いて何になるんだ？　そんな疑問がチラっと心をかすめながら。
　親戚に人形操作をやっている人がいて、ある時撮影中あまっているカメラで人形を操っている自分の表情を、知らないうちに撮られたのだそうです。その時の自分は人形になり切っていて、声は声優さんが出して録音しているのだけれど、そういう意識はないのに自分も一緒に声を出していた。…ところがいつだったか、ある俳優さんが体験したいという事で人形操作に挑戦した時に同じように影のカメラで表情を撮ってみたら、そこには人形ではなく一人の「人間」がいた。仕事柄、世界が違うんだなあ…　という話をしていたのです。
　その事を思い出して、今年は踊り手・お囃子の「表情」をビデオに収めました。お山ばやしの踊りは手踊りと言って手が表情を出すのですが、踊り手の表情を見ていると指先に集中している子、人目を気にして踊っている子、うわの空で踊っている子、良し悪しは別としていろいろでした。でも、何事も集中しきれない時代になってきているようですね。
　近年、夜になると”山ぶつけ”だけになってしまって踊りが見られなくなるので明るいうちに帰るつもりだったのですが、今年は夜遅くまで踊りが見られたのでたっぷり堪能させていただきました。いつから身についたのだか、ねぶたとお山ばやしだけは欠かせない性分。これで一年、元気に暮らせます。

おいとこ／山根谷地町（今年のムービーから）