文は正しいですか |
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損失の補償は、金銭補償が原則である。しかし相手方から土地、建物等の現物補償や宅地造成の工事代行の要求があって、その要求が相当であって、真にやむを得ないと認められる場合は、金銭補償の範囲以内で現物補償とすることができる。 |
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説明 |
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・設問文中後尾の「金銭補償の範囲以内で現物補償とすることができる」以外は補償基準の条文にあります。 ・現実的な取扱として、公共補償以外の一般補償の任意交渉での現物補償を定義した通知や取扱はありません。 わずかに生活再建対策としてダム事業などで代替地造成を行い取得用地との交換や売却をすることや、特定の代替地が見つかり代替地所有者の譲渡所得税減免のための、地権者、起業者の三者一括契約を行うなど部分としての現物対応があるだけです。 ・用地交渉での現物補償要求にはその理由をしっかりお聞きするに止まります。 ・ 基準上、要求が相当であって、かつ真にやむを得ないと、認められる場合とありますが、寝たきりの老夫婦で親戚縁者に協力者がいないといった時どうすべきかと思ったことがありましたが、任意交渉での適用する客観的判断を定めるのは公平と統一性から無理かもしれません。 ・土地収用法上は、現物補償とするよう要求し、収用委員会が認めれば起業者に勧告をしたり裁決をすることが条文にあります。7の別紙 ・判例では、「替地の要求が相当であるとは、被収用者側に、金銭によったのでは代替地の取得が困難であり、かつ、代替地を現実に取得しなければ従前の生活、生計を保持し得ないと客観的に認められる特段の事情の存する場合をいう」(神戸地判、平8.8.7)というのがありますが運用の難しさがあります。 ・公共補償での現物補償、これは会計法上の手続きで補償金の歳入と再建の歳出とは互換性がなかったり、かかる事務能力の損失がありますので現物補償の例があります。 ・文の正誤ですが、要綱の解説には「事業者の出費が補償額を著しく超えない範囲において提供される現物の価格が補償額の範囲内にとどまる場合も良し」といっています。とりあえず正解です。 参考 公共補償における「現物補償」対応(国交省HPより) ![]() ![]() |