11 占有権


文は正しいですか

占有権は、長期間占有を続けると、占有権としての補償対象となる。

説明

・占有権は補償しない(補償基準第十四条)、文は誤りです。

・占有権は自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得される。(民法百八十条)

・占有権は一応の事実状態を保護する権利として所有権、地上権、質権とは別の次元において認められる仮の権利であり、他の物権とは異なり占有権には排他性や優先的効力はない。

・拾いものや窃盗物かもしれないものに補償はしないということでしょうか。

・民法百六十二条に所有権の取得時効がありますが、瑕疵なき占有で十年、瑕疵ある場合二十年で時効取得できるとなっています。

・瑕疵なき占有とは、善意・平穏・公然・無過失・継続などの要件をすべて備える占有をいい。
・十年の善意と二十年の悪意ですが、悪意とは占有者が所有権等の権利に基づかないことを知り、または所有権等の権利の有無について疑いを有しながら占有している場合といっています。

・公共用財産(道路等)についても取得時効が成立するという判例があります。(最高裁第二小法廷昭和五一(オ)四六) (別紙 公物の時効取得参照)