12 運用益損失額


文は正しいですか



説明

・建物移転料の再築工法の文章式では、「建物の現在価格+運用益損失額+取りこわし工事費−発生材価格」となっています。

・しかし、実際の計算式では「建物の現在価格+運用益損失額」は「従前の建物の推定再建築費に再築補償率」を乗じて求めるようになっています。

・そうです、これは再築補償率の計算式です。前段が建物の現価率で後段が運用益損失額率。

・ここで云う運用益損失額、歴史は浅いのですが、元となる金額の考え方が、企業会計のように減価償却費として留保、積み立てられてきたものというのもあれば、現在価格を超え不足する新たな出費分ととらえるのもありますが、どちらも同じですが、その金額を元本として残耐用年数に応じた利息分の前価額となります。
推定再建築費から求めると上記式でしょうがなかなか解けない算式です。平成6年頃「期限の利益の損失」として裁判や行政監察による勧告があって、既存不適格建物の法令改善部分、改造費本体ではなくその増加工事に応じた利息分を運用益として導入されました。誰も償却分を蓄えている人はいませんが、生活再建として償却資産は補償対象になっています。

参考 運用益損失(総務省HPから)