39 造成費用の補償


文は正しいですか

造成費用の補償は、地形上の制約から移転先が限定され、かつ造成工事が必要な場合であるが、移転先の範囲は、原則として同一市町村の類似地域内までとされ、造成費用の補償面積は従前の面積を基本としている。

説明

◆造成費用の補償はダム事業を想定と云われますが、条件が合えば事業は問われませんが、実例に触れたことがありません。

◆この補償の基準上の位置づけは、土地収用法第88条(通常受ける損失の補償)や基準要綱第43条(その他通常受ける損失の補償)を受けたもので、本来の補償以外にもその他としてこんなものがありますよと付け加えたグループの一つです。造成費用の補償以外に立毛補償、養殖物補償、特産物補償、土地の返還に伴う補償、その他が並んでいます。

◆造成費用という言葉は、@曳家先地や残地(隣地)の建物構内移転に伴う造成A残地工事費としての造成B公共補償基準第10条による移転先造成にもでてきますが、この基準58条の2の造成はこれ ら以外の考え方による造成となります。

◆基準から適用条件を拾うと、@自用建物の構外移転であるA生業の関係や人的要因での地域社会との つながり等で移転先はその地域か最大でも同一市町村から離れられないB移転先はどうあっても傾斜地 か崖地しかなく造成を必要とするC移転先を特定するD起業地の土地代金では移転地の造成費を含む総額がまかなえない、となりますが、AとBの適応する条件はかなり限定的なものと考えられます。
直感的には海岸沿岸のほぼ急傾斜地だけという地域にあって観光客等の特定顧客を対象とした店舗等を想定しますが・・よく理解できません。

◆このほか補償対象となる面積は、設問の通り従前の面積が基本ではありますが、地域の標準的面積とか、用途的状況によっては増減の配慮をすることになっています。また全部又は一部の補償といった縛りがありますが、残地の売却益の控除等でしょうか。

◆事例ではH16年、新潟中越地震の災害復旧事業でこの補償を適用し、個々の補償額の累計として集団移転地造成を行い補償したというものがあるようです。