43 法定相続人


文は正しいですか

  Aは父Bと母Cの次男で未婚、子供はない。母Cは平成23年3月死亡している。Aには兄Dがおり、DはEと婚姻して子Fがいる。Dは平成24年3月死亡している。またAはB所有の建物に同居している。この場合における次のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1  Bが死亡した場合の法定相続分は、Aが2分の1、Eが4分の1、Fが4分の1である。
2 Bが死亡した場合、B所有建物につき法定相続分を有するFは、建物を1人で占有している  Aに対して、当然に建物の朋渡しを請求することができる。
3 Aが死亡した場合の法定相続分は、Bが全てを相続する。

説明

1・誤り  Bが死亡すると、法定相続人は配偶者であるCと子であるAとDの3人です、しかし、Cは死亡しているため、Cは相続人でなくなります。また、Dも死亡していますが、Dには子Fがいるため、代襲相続(887条)が認められます。つまり、相続人はAとFです。FはDの地位をそのまま承継しているため、法定相続分はAが2分の1、Fが2分の1となります。

2・誤り  誰かが死亡して、相続財産がある場合、相続財産は共同相続人の共有となります(249条)。したがって、共同相続人は、それぞれ使用する権利があるので、共同相続人の一人が他の共同相続人を排して建物の引き渡しを請求することはできません(最判昭41.5.19)。      

3・   Aが死亡した場合、まず考えるべきは「配偶者」です。しかしいません。次は子(直系卑属)です。これもいません。次に考えるのが親(直系尊属)です。これは、父Bがいます。父Bのみが法定相続人となります(889条)。