翼No.W17設計製作記(1) |
page.20-0003 初公開日:2020.04.23. 内容更新日:2020.05.08. レイアウト更新日:2024.10.08. |
目 次
翼No.W17設計製作記(1)
1.序文翼No.W17設計製作記(2)
2.設計思想
3.平面形設計
4.空力中心算出
5.尾翼容積、重心前方率算出比較
1.序文
このページは、岩大デコレチームとのラジコングライダー共用機設計製作を念頭に、自分の機体の設計製作手順を記録したものである。当方のR/C(ラジコン)グライダーは伝統的に主翼と胴体(尾翼付き)を分割して製作する方法を取っている。今回は、そのうち主翼のみの製作を記録する。
2.設計思想
現状:
現在使用している胴体は修理すれば使える。合わせる主翼(No.5)が修理の面倒な状態にあり、35年も使ってきたこともあって、新しく作りたいと以前から考えていた。但し、現用の胴体は主翼(No.5)より少し大きめの主翼と合わせられるよう設計したので、主翼(No.5)より大きめに作ることにする。設計要求:
以上の事から、以下のような要求を出す。旧主翼(翼No.5)諸元:
・ ラダー機とする。但し、将来エルロン機も製作することを考え、後桁を配置しておく。
・ 長年飛ばし続けられたのは、扱いやすい(飛ばしやすい)翼であったからである。従って、
平面形、翼型などはなるべく同等にしたい。
・ 面積は少し増やす。そのためにアスペクト比は多少小さくなってもよい。面積を増やす理由は、
胴体が大きくなったことの他に、翼弦長を増やすことで製作精度を上げる意味もある。
・ 主翼(No.5)は運搬のため3分割としたが、現在使用している軽ワゴン車はもう少し大きな
スパンでも1枚のままで運べるため、分割はしないこととする。
・ また、上述の理由から、スパンを100~200mmほど大きくする。
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翼型:
B.D. FHシリーズの翼は、私自身が翼型データを収集してR/Cグライダー設計製作に利用し始めた頃、自分の翼型を見る目を信じて己の感覚で新しい翼型を作ってみようとフリーハンドで描いたものである。FHは”フリーハンド”を意味する。FHシリーズの中で、FH-7/7tは最も成功した翼型で、FH-7に主性能を受け持たせ、FH-7tはFH-7の翼端用として作られた。FH-7tはFH-7の上面ラインの前縁から翼端翼型の後縁まで全く同じラインとし、下面側を上面に合わせて整形してある。従ってこの2つの翼型は、翼型の基準線を一致させれば自然に翼端捻り下げが実現できるようになっている。(実際に飛ばしてみると、更に捻り下げが必要だった。)そのため、製作時に翼上面カーブを翼根から翼端まで共通化でき、翼根から翼端まで1枚のプランク材を段差なしで貼れるなど、製作を容易にしている。
なお、これを実現できたのは、翼根から翼端まで平面形前縁を一直線にしたからである。
また、製作においてプランク厚を1.0mmとしたため、翼後縁には翼根・翼端それぞれで上下合わせて2.0mmの厚みを持たせて翼型は作られている。
今回計画の翼は翼弦長が大きくなることと、スパンが伸びる分翼端をより軽量にするため、テーパー比を0.80から0.75に下げる。そのため翼根翼型の後縁厚の%が変わるので後縁付近の整形を要し、翼端翼型は下面全体の整形したFH-7t2を使用することとした。
FHシリーズは、感と実用性から生まれた翼型である。従って、その発想を踏襲する。
3.平面形設計
諸元(案):
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4.空力中心算出
算出プログラム (VB6B18-301A) を使用して空力中心位置を求める。5.尾翼容積、重心前方率算出比較
内翼
外翼
全翼集計
結果:
空力平均翼弦長 = 188.9 mm
空力中心位置 = 47.2 mm
尾翼容積、重心前方率の算出に必要な数値を以下に示す。
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