25 慣習上の利益


文は正しいですか

  損失補償基準における「権利」には、社会通念上権利と認められる程度まで成熟した慣習上の利益が含まれる。

説明

・基準第二条に・・社会通念上権利と認められるまで成熟した慣習上の利益は権利に含むとあります

・ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが山形県の月山ダム・・このダムの用地買収で入会林野と入会権という権利の存否を巡って長年裁判で争われたようです。

・聞いたところによると、藩政時代から山林の使用収益を慣習として行使してきたことは村関係者、国側双方共認めていたようですが、第一審判決では、昭和七年に国の施策として行われた入会権を放棄するという手続、「整理統一手続」はその手続が全員の合意でなかったから、放棄したといえないが、その後村が貸付けや譲渡をしたり、ダムの調査や説明会で話がなかった等、昭和五十一年頃まで入会権の放棄を追認したものと認められる。ということで国側が勝訴したということのようです。

・原告は控訴したようですが、入会権を管理運営する組織、「入会統制機構」の存否を論戦中に原告が取り下げたため、終ったようですが上訴審の取下げにより遡及的に消滅ということで事案は最初から何もなかったということのようです。

・用地調査の段階でもしっかりと実態の把握をしておかなくてはなりません。

・その他、慣行水利権、許可漁業、景観権?という権利もあります。