一般にサービスボールの速度は、サーバーが打ってから頂点に達するまでにはわずかに減速、そのあとレシーバーの手元まではほとんど速度に変わりはないように感じられる。しかしコンピュータの答によれば、大体ネットのあたりまでは急激に減速し、そのあとはほぼ一定、山なりのサーブでは少し速度を増しながらレシーバーに達している。前半の減速の程度から考えて、レシーバーの手元で臨界速度になるようなサーブを打つには、初速20 m/s は必要になろう。これはサーブとしては相当に速い。また、初速は速め、打上げ角は小さめに打たなければ速度はすぐに抵抗の不安定な範囲からはずれてしまうので激しい変化は期待できなくなる。よく、遅くてフワ〜っとしたサーブがじわっとした変化をするのを見るがこれは、「おさまりにくい乱れ」を打つ時に後にくっつけた結果と思われる。しかしこの場合、鋭い変化を期待する事はむずかしいであろう。鋭い変化をさせるためには、やはりきついサーブを打たなくてはなるまい。なお、サーブは高く打ち上げらば上げる程、床に達した時の速度は大きくなると考えられるが、速度が速くなると抵抗も大きくなって、ボールの重量と釣り合えばそれ以上増速しなくなる。この速度を終速度と言って、バレーボールでは22〜25 m/s くらいと思われる。